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アジサイや清流で知られた板取の日々を書き綴ります。
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トンボの田んぼプロジェクト H26 【その③ 熱湯で種モミの消毒】
充実した種籾を選び出す『塩選』を済ませたモミは
育苗中の病気を防ぐ為に消毒をする。

農薬を使わない自然栽培なので、60℃の熱湯を利用する。
60℃の熱湯でモミ消毒

温度が低いと全く効果が無いので、温度計でしっかり湯温を測定する。

熱くて手を入れ続ける事は出来ないが、モミガラに包まれている中の玄米は煮えてしまわないから不思議だ。

冷めない様に熱等を注ぎ、60℃を保つ。

タイムウォッチでキッチリ10分間計り、すぐに冷水でモミを冷やす。

熱水消毒を済ませたら、後はモミ播きまで冷たい谷水に浸しっぱなしにする。
冷たい谷水に1ヶ月浸す

暖かい水に浸せば1週間程度で芽が出るが、雪解けの冷たい谷水なので約1か月、入れっ放しでも芽が出ない。

水に浸けてから3週間後のモミを、点検の為に出してみた。
谷水に浸して3週間後

幾分か膨らんで透き通ってきたので、モミの中では発芽の準備が整ってきたようだ。

次の作業はモミ播きとなるが、もう少し冷たい水に浸ってもらうとする。

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トンボの田んぼプロジェクト H26 【その② 充実した種を選ぶ】
今年で5年目となる無施肥・無農薬でのお米作りは
種モミ作りでもある。

モミの中がスカスカな軽い種は発芽や成長が不十分なので使わない。

中身がぎっしり詰まった種を選び出す為に“比重”を利用する『塩選』を行う。

塩が貴重だった昔は、泥水で行ったそうだが
今は安くて便利な食塩や硫安の水溶液で行う。
食塩の用意

硫安の水溶液だと、種の選別後の水溶液を液肥として有効利用できるのだが
当方は無施肥の自然栽培なので、当然食塩水を利用している。
食塩水溶液

自然栽培を『手抜き農法』と誤解している方々がいるが
この栽培法は、科学的な理屈を応用しているので
水溶液を造るのにもキチンと濃度を計測する。
比重計

熱いお湯で濃い塩水を作ってから
その後、水を足しながら適切な塩分濃度に整えて行く。
比重の測定

水を足しながら、バケツの中の塩水濃度が均一になる様に混ぜていると
手の甲が真っ白になり、そこに冷たい風が当たるとピリピリしてくる。

痒い手を我慢し、そこに種籾を投入する。
種籾の投入

掻き混ぜで暫くすると、上下にモミが分かれる。

浮いた軽いモミをすくい取り、再度掻き混ぜると上下に分かれる。

それを数度繰り返すと、モミが浮いてこなくなるので
それらを取り出し、清水で塩分を洗い流す。

こうして、中身がぎっしりと詰まった充実した種籾が選ばれた後は
この後の工程『熱水消毒』となる。

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トンボの田んぼプロジェクト H26 【その① トンボのたんぼプロジェクトとは?】
板取の桜も満開になり、平成26年も田んぼの季節が訪れた。
農薬・肥料を全く使わない『自然栽培』のコメ作りも、今年ではや5年目となる。
自然栽培のお米

3年前、“トンボのたんぼプロジェクト”と名付けた、そのお米作りの由来を説明しよう。

子どもの頃、田んぼでタモとバケツを手に、ミズカマキリ、タイコウチ、ヤゴなどを捕まえ、家の水槽で飼っていた。
それらの餌としてオタマジャクシも捕えるのも楽しくて仕方なかった。

それがいつしか、ミズカマキリやタイコウチたちの姿が見られなくなってしまった。
こころなしか、トンボや、カエル、蛍の姿も少なくなったような気がしていた。
赤とんぼ

一番の影響を及ぼしたのが農薬だというのは言うまでも無い。

それに加え、田んぼの水を早い時期に抜いてしまう『中干し』が日本中に普及した。
田んぼの水が干上がれば、そこに住む小動物が生育できないのは、ごく当たり前のことだろう。
田んぼは生き物のすみか

子どもの頃たくさん見かけた虫やカエルたちを復活させることはできないだろうか?

そう思い立って、無農薬での稲作を始めたのが5年前。
無農薬のコメ作りを成功させるためには、肥料を一切与えない『無施肥』栽培が必須とわかり、併せて自然栽培のスタートとなった。

1年目と2年目、植えたばかりの早苗に、稲の害虫『イネミズゾウムシ』がびっしり付いた。
おかげで稲の初期生育を阻害され、惨憺たる悲惨な生育となった。

完全無農薬で始めた自然栽培だが、イネミズゾウムシのおかげで、完全無農薬のコメ作りを諦めかけていた

初期だけ農薬を使おうか悩んでいたところ、苗に施用する農薬は、田植え後1か月間薬効が残り、イネミズゾウムシどころか、トンボの幼虫(ヤゴ)に影響を及ぼし、成虫になれないとの、大学の研究発表を目にした。
トンボの数が少なくなってしまった原因が判明したわけだ。

そんな恐ろしい物を田んぼに入れるわけにいかない。

なんとか無農薬で対策ができないものかと調べたところ、カエルが大量にイネミズゾウムシを捕食しているという研究発表を見つけた。
カエル

オタマジャクシの段階であるGWの田植え時期を、カエルに変態している5月下旬に先送りすれば、憎きイネミズゾウムシを食べてくれると言う事となり、危険な農薬を使わなくて済む。

それと併せて、田んぼの一部に溝を掘り、水溜りが出来るようにすれば、ヤゴもオタマジャクシも干からびずに済む。

その状態を夏まで保つことが出来れば、ヤゴからトンボになり、たくさんのトンボが飛び回る姿も見られ、耳を塞ぐほどのカエルの大合唱も聞かれる事になるだろう。
シオカラトンボ

たとえ1区画でも生き物が喰ったり喰われたりという、自然のサイクルが発生し、ヤゴがトンボに成長できる田んぼになれという想いが、『トンボのたんぼプロジェクト』となり、今年5年目の自然栽培のコメ作りとして続いている。



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